お早うございます。蛍狩りの季節ですね。

2020/06/12

生命の軌跡の歌に、「もの思へば 沢の蛍も 我が身より あくがれいずる 魂(たま)かとぞみる」和泉式部

蛍は「火垂(ほたり)」、または「火照(ほてり)」の変化だといわれます。淡い黄緑の光が闇の中を点滅しながら舞飛ぶ風景は、いかにも幻想的で、和泉式部が自分の魂が抜けだして、さまよっているのかと思ったのもうなずけますね。

火垂るは美しい川でしか育つことが出来ません。蛍狩りが出来る場所も、少なくなりました。

一生の大部分を、水の中で過ごし、成虫になれば、わずか数日の生命だという蛍。その間、水以外、何も取らずに光り続けるのだそうです。闇の中に、ひたすら、自分たちの軌跡を描こうとするかのように。。。和泉式部は、平安中期の歌人です。999~1025~1030年頃の事です。オホホ。千年も昔のお話でした。百人一首の中に、「あらざらむ この世のほかの思ひ出に 今ひとたびの 逢うこともがな」この訳が凄いのですよ。「私はもうすぐしんでしまうことでしょうが、私のあの世への思い出になるように、せめてもう一度なりともあなたにお会いしたいのです」どうも、あの1000年も昔でのことですが、ゆったりしたことです。お年も、どうも30代位の時の事です。そう思うと、現代人は、長生きさせていただいていますね。