一章・2000年目の小夜嵐(さよあらし)の神々の日本史を読んで。

2023/10/11

松浦光修(まつうらみつのぶ)著の書物が手に入り読んでみた。すると、不思議に思っていたことが、この書物の中で、見事に、なぞなぞが解けるようになって分かった来た。なるほどと理解できた。

私は、ここ最近、いつも同じ質問をしてきた。「我が国日本は、この地球儀上の中の世界の国々の中で、何処の国が、一番長い歴史を持っていますか?」と、質問してきた。先ず、亀の子のメ ンバーから聞いた。みんなは、「中国だ。」「イギリスだ。」「アメリカだ。」と、全員が答えられなかった。中学生も答えられない。

何でだろう❔と、自己嫌悪に陥っていた。そして、この書物を読んでみると、松浦先生は、皇學館大学文学部教授の博士(神道学)~神道系の唯一の大学です。その大学の入学式で、質問をされます。「初代の天皇は、何という方❔」知っている者は、ほとんどいない。「神武天皇という方なんだけど・・聞いたことないか・・それじぁ、今の天皇陛下は、何代目❔」学生は、ますます答えられない。「思った数字を言ってごらん」と言うと、「20代」「30代」とかいう。「公式には、125代、何だけど」(実は、今の天皇は、126代(令和5年))と言うわけで、答えられない。もう、何年も、この状態とか。いやはや、このありさまは一体何なのか、高校までの歴史教育が、どんなものであったかは、お粗末でしかない。我が国の若者で、答えられる人がいるだろうか?最も彼らの世代に限ったことではない。彼らの父母の世代でも、然りだろう。もしかしたら祖父母の世代でもねすでにそうしたした状況になっているかもしれない。『要するに天皇について、今の日本人は何も知らないに等しいわけである。しかし、考えてみれば、現在の米国製の「日本国憲法」でさえ、天皇は「日本の象徴であり、日本国民統合の象徴」と定めている。それなのに、自国の初代君主が誰なのか、今の君主がそれから何代目にあたるのか、などについて、ほとんどの国民が教えられず、また知らない・・。国際標準から考えてみても、この現状は、やはりどこかおかしいのではないだろうか。」『今の日本人の心には、「天皇」や「日本」の存在そのものが消えかけている。それは、もう・・何かの「思想」などではない。いわば「無日(むにち)」という、心の荒野である。

天皇に対する敬意、自国に対する愛情などは、本来ならば、日本人の心に自然成育する草花のようなものであろうが、その心の緑野に、半世紀以上もの間、「反天皇思想」や「反日思想」という「毒の雨」が、降り注いだのである。その結果、日本に「心の自然破壊」が起きた。そして今も「無日」の荒野は広がり続けている。

何故、そんな事態が発生したのか。2000年の歴史を通じて、最大の出来事は何か?と、問われれば松浦先生は、躊躇(ちゅうちょ)なく、こう答える。「それは大東亜戦争の敗北と、それに伴う外国軍隊の占領である」と・・ 我が国は、ほぼ全世界を相手に、4年間に渡って(1941~1945)壮絶な戦いを繰り広げ、空襲により・・、原爆により、民間人を大虐殺され、総じて約310万人もの命を失ったあげく、6年8ケ月に及ぶアメリカ軍による軍事占領を受けた。これほどの悲劇と屈辱は、我が国2000年の歴史を通じて、空前絶後のことである。それは・・・、例えば樹齢二千年の大樹に、はじめて激しい小夜風が襲ったようなものかもしれない。プレスコード、神道指令、公職追放、東京裁判、日本国憲法・・と、強風は繰り返し襲った。そのような厳しい試練は、何しろ建国以来、はじめての経験だったのです。さらに、左翼の風雨が襲い掛かり、その勢いは、今も衰えていない。吹き募る国内外の「反日思想」の強風は、「日本人の誇り」を吹き飛ばし、信仰や道徳を奪い、その民族的結束を崩し、また、それに伴う「毒の雨」が民族の心に「無日」の荒野を拡げている。

ある意味で現在は、我が国の2000年の歴史上、最大の試練の時なのかもしれない。このまま衰亡への道をたどるのか・・あるいは一転して隆盛の道へと歩みはじめるのか・・、今の日本は、その重大な岐路に立たされている。

日本人も、この二千年目の小夜嵐を、乗り切ることができたならば、いろいろな意味で、それまでよりも、より強靭な民族に生まれ変われるに違いない。ある意味では、二千年の歴史が、そして未来が、私たちの時代にかかっていると言えよう。

今、問われているのは、私たち一人一人が、祖国の原点に立ち、「過去」と「未来」を背負いつつ、どのように「現在」を生きるか、ということであろう。