「逝きし世の面影」渡辺京一の本が手に入りました。

2023/08/01

この書物の内容は、江戸末期から明治の頃の庶民の生きざまが如実に書いてある。それも、その時代に日本に来ていた外国人たちの、日本の社会のありようが、書いてある。日本人自身は見慣れているので、必ずしも自覚できていない。西洋人旅行者から見た日本人を、驚きの眼でみていた。生活の特徴を、「陽気な人々」「簡素と豊かさ」「親和と礼節」「よく笑い、みんなおおらか」「子どもの楽園」そして、「信仰と祭り」「女の位相」「裸体と性も大らかな」「町はきれいで、清められている」「田んぼは、庭園のようだ」と。開国当時の日本の姿は、日本という異なる文明の国を驚きを持って記録されていた。そして、この著者の渡辺京一は、中国の大連というところで生まれ育った人だった。1930年生(昭和5年)で、日本に帰ってからは、どうもなじまず、18歳の時は結核療養所に入った。そこで、開国当時の日本の姿の書物に出会い、異文化としての古き日本に、彼ら同様に魅了させられていった。ちょうど日本は敗戦にて、GHQに占領政策により、自虐史観を植え付けられたことになった。その時代の社会学者はねことごとく、「否定の文化」だった。だから、左翼の人が横行していた。ということは、江戸時代末期から明治の頃の庶民は、「肯定の文化」だったと言える。だから、みんながよく笑い、おおらかな社会が形成されていたといえる。作者の渡辺氏は、少年の頃は、江戸時代に生まれなくて良かったと、本気で思っていたが、今は、江戸時代に生まれて、長唄の師匠の二階の転がり込んだり、あるいは村里の寺子屋の先生をしたりして一生を過ごした方が、自分は人間として今よりまともであれただろうと心底信じていると書いておられる。

私は、この本を、まだ熟読していないけど、私は、明治生まれの大祖父母や大正生まれの両親のお陰で、なんとも、今の令和の時代は、やっぱり、「温故知新」~故きを温ねて新しきを知る時代の到来なのではないかなぁと、この「本」を読んでそう思うことが出来る。この著者の渡辺京二氏は、2022年12月に亡くなっておられた。

92歳だった。こんな方がおられたからこそ、日本は古き良き日本を回想ができ、とても、素敵な日本が蘇ることが出来そうです。