2022/08/17
老いの重荷は神の賜物と言う。樹木希林さんの言葉です。私は、勲章だと言っています。歳を重ねると、体は老化するのが当たり前なのです。若い時と同じという事はありませんね。となると、年を重ねてくると見えてくるものがあるのです。変に若作りしませんね。そして、競争もしませんね。己を知ることになり、昔々の事ですが、母親が言っていたことが、ふと蘇ります。里の母親は、実に端的に、直観力がある人でしたね。中学の時に初めて初潮が有った時に、洗面所の鏡に私と母親が映り、その時の母親は、私に言うのです。「さぁ。あんたも女になったのだから、お母さんと対等だよ。おめでとう。」って、言ったのです。そして、私が高校を卒業して、お友達とこたつで団らんしていた時でしたね。「貴方達、男は狼だから、用心して付き合いなさいよ。」って、忠告してくれましたね。うふふ。こんなこともありましたよ。いちいち母親は心配して、「あ~だ。こ~だ。」と言うもんだから、私が、「百円札」を出して、「百も承知」と言ったとか。今思うと、とても懐かしいですね! となると、一人一人が、生きている意味があり、科学だけで、幸せになれないことが分かってきました。自分を見つめ語ることにより、本当の自分に出会っていくのだなぁと、実感します。それを、福祉実践では、ナラティブアプローチと言うとか。では、「ナラティブ」の意味は何か? 意味と実践法は、自分自身によって語られる物語です。私は、人間大好きでしたので、一人一人の人生物語には、意味があると感じていました。沢山のメンバー達は、一人一人違う人生を歩んでいます。その一人一人の人生に、私はいつも真剣に耳を傾けてきました。凄いなぁと、いつも感心して聞き入ります。時代や地域社会や家族や文化や置かれている環境や様々な社会の影響をうけて作られていきます。その彼らが、一人一人、自分と向き合い、自分自身によって語る物語です。つまり、その人の考え方や認識によって、世界を理解し、その人なりの意味をつくり上げるということなのです。実は、ここのところが難しいです。メンバーの中には、自分の人生について、余り深く考えようとしない人もいます。メンバーの中には、「どうせ」とか、「自分は病気」だからとか、「障がいがあるから」と、線引きする人がいます。 なぜ、そんなことが起こるのか。