2016/09/08
その本は、メンタルヘルスマガジンこころの元気+plusの9月号からの新刊の紹介でした。その新刊は「科学者が脳と心をつなぐとき」~父と母と私が織りなす50年の物語~糸川昌成著です。糸川昌成先生は、東京都医学総合研究所病院等連携研究センターで、異なる分野の人が集まった糸川研究室にて研究されてこの度、この書物を出されました。私はこの書物を、すぐに注文したところですが、その内容に興味を持ったところです。というのは、「すべての症状に意味がある。その人の人生の文脈を理解したときに、人の尊厳が回復する。しかし、薬は尊厳を回復させることはない。その人がかけがえのない人間として丁寧に遇されたとき、尊厳は扱われた当人と扱った人との間に共鳴しあうものだ」私は、いつも思っていました。薬が病気を完治させるものではなく、あくまでも、補完するものだと、例えば、完治が10であるならば、薬は4で、後は人間力が6だと思っていた。やっぱり、そうだと確信できた。そして、今月号9月号の25ページには、統合失調症の当事者が60代になり、何故こんな自分になったのか,20代で結婚し2人の子供もいたときに、統合失調症になり、自分の人間性の未熟さに愕然とし、こんな未熟な者が結婚の意味も知らず子供ももうけていました。夫に「こんな私と何故離婚しなかったか」と聞くと、「幼い子供たちを母なし子にしたくなかったから」と、夫は自分の幸せよりも子供の幸せを優先していました。よく考えてみると、こんな未熟者の自分を育てた親はどうであったのかと、昔を振り返ると、自分たちが物心つく頃から、両親の夫婦ゲンかは凄まじかった。母親の悲鳴と父親のどなり声に私の心は凍り付くようで、怖くて怖くて声が出なかった。私の問題だらけ人間性は親の夫婦ゲンカが原因なんではないかと。さんざん悩み苦しみ親も恨んだりしました。しかし、子供たちは、かっての私のような問題児ではなかった。やっと、この長い引きこもりの生活を卒業し、やっと人並みのやるきと自信を取り戻すことができた。いやはや、人間が誕生し、「人として」成長していくことは、大変な道のりです。
その一つ一つに気づきながら、生きててよかった、生まれてよかったと、思えるようになりたいですね。そんなお手伝いを、限りなくやっていきます。