お早うございます。今日も会者定離です。

2016/06/06

本当にこの世は諸行無常の世の中です。愛別離苦もそうですね。愛する者と別れる苦しみもそうですね。

会者定離もそうですね。この世で出会った人とは、いつか必ず別れが訪れます。出会いは必ず別れをもたらすという世の無常をいいます。別れの悲しみや、愛のはかなさ、人生のはかなさを表します。でも、出会う喜びがあったからこそですし、私は、いつも「出会いは宝だ」と、いいます。こうして、沢山の人と出会えたからこそ、ここまで来ることができました。そして、命一杯に生かさせていただいているこの命に、大いなる感謝が生まれます。そうです。本日も、私にとっては、お寺の寺族として、さまざまな多くの教えをいただきました。青山俊薫先生の「すずやかに生きる」の書物、松原泰道先生の「公安夜話・日々にいかす禅の知恵」の書物をいただきました。その昔の思い出話に、著名な青山俊薫先生のお話が出ました。方丈様は、「あのな。あの俊薫さんと、ワシは駒沢大学で同級生で、俊薫さんは、仏教学部で最優秀賞を貰ってな。ワシは、国文学部で最優秀賞を貰った。」「明月清風を拂い、清風明月を拂う」のお話をなさり、書の「清風拂清風」をいただき、あの「本」もいただいた。もう五、六年前だろうか、名古屋の青山俊薫先生の尼僧堂を訪ねて行き、法堂の隣の部屋に、「明月拂清風・清風拂明月」の書が掛けてあった。あの時の、清々しい振る舞いの青山俊薫先生の姿は、今でも、私のこころを奮わせる。思い出と言えば、あの「すずやかに生きる」の書物も、確か、我が家の施食会「施餓鬼会」の時にいただき、翌日の夜行列車に乗って、東京へ行ったことがあった。その列車の中で、むさぼるように読んだ記憶がある。あのころから、私のこころの指針になったのかもしれない。そう思うと、「出会いは宝」であり、そして、いつか必ずや別れがある。それまでは、精一杯出会い、豊かな人生を愉しむことが出来るのだろう。そうして、「人身受け難し今すでに受く、仏法聞き難し今すでに聞く」生命の尊さを自覚することができる人間として生を受け、しかもそれを説く教えに出会うことができた幸せを切に思う。今日は方丈様のお通夜に行きます。合掌です。