ごきげんよう。明日からお盆休みです。

2014/08/12

台風一過で、やっと夏の気配ですね。蝉の声も、夏を感じますね。地活の「のほほん」では、紙コップに切り絵を貼って、コップの底に穴をあけて、鈴をつけてひもで吊るして、紙コップ風鈴のできあがりです。

天井からその紙風鈴がぶら下がっています。扇風機の風が吹くと、ゆらゆら揺れています。

夏の風物詩ですね。今朝の朝礼でも、「お盆には、お墓参りにいきますか?」と、問うと2人を除いて、全員が行きますと、手を挙げてくれた。一人は、お里が遠いのでお盆は帰りませんとのことでした。もう一人は、行くか行かないのか分かりません、昨年も行ったか行かないのか分かりませんと、理解不能な答えです。ちょっと、突っ込んで聞いてみると、父方のおじいさんとおばあさんは、大田の町です。だから何処かにお墓があると思います。母方のおじいさんとおばあさんは、出雲です。だから、出雲のどこかにお墓があると思います。そうか、すると、今年のお盆は、どこに御先祖のお墓があるのか、調べてみようね。宿題ですよ。 我々のこの命は、必ずご先祖さんが居て、今この命を継承しています。だから、この命は大切なかけがえのない命なのです。一人として、いらない命はないのですよ。

そんなお話を、朝礼でさせてもらい、お盆さんをお迎えしましょう。と、伝えたところです。

とんと昔のことです。もう40年も昔の事です。小高い小山にお墓がありました。お盆が近づくと、大きなおばあさんと、若い嫁さんは、オイコにお茶と、鎌を入れて、お墓掃除です。お墓に行くまでの道は、背丈ほどの草が生えています。おばあさんは、その草の道に向かって、「アブラオンケンソワカ、アブラオンケンソワカ、」と、呪文を唱えます。そして、背丈ほどの草を、鎌で刈っていきます。墓所につくと、下草を抜き取ります。落ち葉や下草を、寄せて火を点けてくよします。小さな墓所は、きれいになりました。すると、おばあさんは、「あぁ。今年も、お盆さんが来たなぁ。これで、奇麗になった。」

「ありがたいことだ。」と、手を合わせます。おばあさんと、お嫁さんは、持ってきたお茶をいただき、

しみじみ語り合います。その後、その大きなおばあさんは、94歳で亡くなりました。その後のお墓掃除は、お嫁さんが、引き続いて、オイコにお茶と鎌を入れて、お盆さんが近づくと、お墓掃除に出かけるようになりました。それを、見かねたお嫁さんの旦那は、小山にあったお墓を、下の畑に、寄せて墓を造りました。お嫁さんは、喜んで、毎年毎年、お盆が近づくと、朝早くから、せっせとお墓掃除に精をだしました。それを、毎年毎年、見ていたお嫁さんの旦那は、また、また、考えました。

母屋の近くに、お墓を移動しました。そのお墓は、とても立派で、玉砂利の中に、草が生えないような、設えになっていました。お嫁さんは、またまた、驚き、「ありがとう。ありがとう。」と、言って、大層喜んでいました。それもそのはずです、お墓の目の前に、あの大好きな霊峰三瓶山が見えるのです。

「私が亡くなっても、このお墓から、大好きな三瓶山が見えるのですね。」と。おしまい。