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2020/11/18

『商いはホトケの代行』鈴木正三・すずきしょうざん(1579~1655)江戸時代初期の曹洞宗の僧侶です。鈴木正三は、1579年に生まれています。「本能寺の変」の4年前に生まれています。徳川家につかえる旗本として、実戦に参加した戦国武士でした。文官官僚的な役割を経験したのち、1620年に出家しました。41歳でした。禅宗の僧侶として、執筆と布教活動を始めました。士農工商は、身分制度ではなく、「士は、衆生の恩。農人の恩・諸識の恩、衣類紡績の恩・商人の恩。一切所作、互いに相助け合っている恩」であると説いている。士農工商に通じる大原則は、「世俗の業務は、宗教的修行であり、それを一心不乱に行えば成仏できる」というものです。

当時の時代背景として、戦乱が終わり確かに平和は来たが、しかし同時に、「戦国の夢」は消え、一種の精神的閉塞感状態を招来した。士農工商は徐々に固定していき、人々が何に「生きがい」を求めて良いか分らぬ時代が来た。この中で、正三は日々の業務の中に宗教性を求めることに、解決を見出そうとしたといえる。そして、その発想のもとは「やはり禅から来たものであろう」当時武士が一心不乱に剣術を学ぶのは「殺し屋」になるためではなく、禅の修行と同じであるという「剣禅一如」という考えがあったのだろう。

ここに、「職業は修行である」という新しい職業観が確立された。日本の資本主義の倫理の基礎が築かれた。「世法は則仏法になり給え」その発想を四民のことごとくに広げ、これを一種の国民道徳として秩序の基礎を確立したと言える。同時にそれを行うことの中に、宗教的な精神的充実を求めようとした。

西洋でも、旧約聖書では、アダムとイブが禁断の果実を食べたので、労働は神の罰だ。としていたが、プロテスタントの誕生により、仕事は神様が与えてくださったに変わって来た。ここから、日本の「三方よし」と、同じとなった。だから、日本は、昔から「三方よし」としてきたので、日本国は、老舗が多く存在している。

今の我が国は、ここ30年不況の中に存在しているが何故なのか。実は、この「三方よし」が蝕まれ、欧米の効率化、業績アップが先行し、「売上アップ」した結果と言えるかもしれない。日本の食料自給率も37%になり、もし、今後、輸入がストップすれば、たちまち大変なことになる。国内の、畑、田んぼは、ここ53年間で耕作地が26%も減少した。耕作地放棄があっちこっちで点在している。特に我が大田市でも、耕作地放棄は、どこでも存在している。山間地区では、廃村も存在している。本当に、こんなことでは、ご先祖さまに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。一体勿体、日本の「三方よし」の「売り手」「買い手」「世間よし」は、何処に行ったのだろうと思う。世の中がどう変化してきているのか。今の時代、考える時が来たようだ。

どうも、この問題は、国連が持続可能な開発目標として、SDGs(エスディージーズ)を、2015年9月の国連サミットで決定しました。

実は、このSDGsは、日本の「三方よし」と、とても良く似ています。

先ず、17の目標をあげてみましょう。1.貧困をなくそう 2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育を 5.ジェンダーを平等を実現しよう 6.安全な水とトイレを世界中に 7.エネルギーを皆に、そしてクリーンに 8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をなくそう