コロナ禍の中、いかがお過ごしでしょうか。

2020/08/04

私は、日本評論社の№15春号の統合失調症のひろばを読んでいます。カミングアウト。急がない治療。その120ページに高森信子先生の記事が載っていました。読者の方々からの質問に答えます。でしたが、「妄想の世界から、どのようにして現実の世界に引き戻すか、具体的な事例を聞きたい」との質問でした。当事者が訴える「見張られている~悪口を言われている~狙われている~殺人鬼がいる~怖い」といったことは本当に辛くて不安な【実感】なんだと、受け止められるのです。私たちは当事者に関わる人は、そういう方々に安心してもらう立場にあります。原田誠一先生の本の中で、不安と孤立と過労と不眠の四つが揃えば誰でも幻聴が聞こえてくると述べておられます。お薬は不安を抑えるのに役立ちます。そして疲れた脳を休ませるために、眠剤は眠る時間を増やしてくれます。心と体に薬が効いてくると過労の「過」の部分が取れますが、「労」~つまり疲れやすさが残るのですね。「僕は疲労症候群ではないか」というほど、統合失調症は疲れやすい病気なのです。そして、四つめが孤立。これに効くお薬はないのです。高森先生は、薬で埋めることができない「孤立」には、「ひと薬・ビタミン愛」を差し上げて欲しいと、書いてあります。それを効果的に伝えるための三つの方法をぜひ実行してください。①「あなたは大事な大切な人。私の宝物」と親の基本的な思いを伝える。②「生きているだけで立派だよ」「生きていることがあなたの仕事だよ」と、今の存在(現在位置)を認める。③日常的な会話の中で相手の気持ちをわかろうと努める。③については、ご家族は「貴女の気持ちよりも私の言うことを聞いて欲しい。」という思いが根底にあり、病気を治してやりたい一心から、説得や言い聞かせが多くなりがちなのです。つまり、「思うような生活が出来なくなってしまったレベルを親の望む元通りのレベルに引き上げたい」という思いにかられるのでしょう。でもその行為は、当事者に対して多くのストレスを与えることになります。 久しぶりに、高森先生の記事を読んで、そうなんだよね。当亀の子では、当事者の幻聴や妄想については、いつも当事者に寄り添った、支援をしていますので、ここ最近のメンバーは、妄想や幻聴について、実にしっかりと、話してくれます。時には、精神科クリニックにも、僕は、なかなか言いにくいですので、ついてきてもらえますかと、希望され、同行受診することもあります。

実は、私の夫の理事長も、8時間もの長い長い、手術をしてもらった時には、術後の5日間は、不安と孤立と過労と、不眠で、幻聴や妄想が出現したようです。「命令が入ったり。罵声をかけられたり」とか、とても大変だったようです。それでも、5日後には、すっきりして、熟睡出来て、楽になったと言っていました。

そして、精神保健福祉交流促進協会のたよりから、こんな記事がありました。「日蓮宗のネットワークの会から」「命を護ることは、心を護り強く生きる力を得ること」法華経の中の如来寿量品「自我偈」が読まれているとか。なんか、素敵だなぁと、思っています。