2023/08/16
日本人って、なんか、素敵だなぁって、歳を重ねたせいでしょうかね。そして、我が家がお寺だからでしょうかね。常に、「生・老・病・死」は、この世の常ですからね。そして、明治生まれのツルノさんの言葉が、いつも、頭をよぎります。私が20代で嫁に行った時に、お正月の元旦に、いつも言っていました。「親死ね。子死ね。孫死ね」と、言っていました。私は、当時、縁起でもないことを、お正月早々言わないで欲しいと、思っていました。摩訶不思議ですね。今年は、特に私の弟の初盆だったのです。私の弟ですので、順番が違うのです。
お墓参りをしたのですが、お墓周りが綺麗に整えてあるのです。だから、お墓が一段と、美しく堂々としています。
大般若経を唱えながら、お花を供え、線香を焚き、五輪塔の御影石に、お水を注ぎます。弟に、「あんたは、私の五才も下の弟だったのに、私よりも早く、両親の元に行ったね。うふふ。父、母も、重治さんを迎えて、「お前は、よう頑張ったで、両親の「宝もの」だったなぁ。よう来た。よう来た。」と、両親に迎えられていると思われます。「姉ちゃん。急がんでいいけな。どうせ、行く道、来る道だけね。慌てなさんな。」と、弟の声が蝉しぐれの声と共に聞こえたような。
こうして、ご先祖さま達が歩んだ道を、今の日本人は、報恩感謝しながら、歩いて行ける、こんなに素晴らしいことはない。「生きているだけで立派です。」も「花が咲こうが咲くまいと生きていることが花なんだ。」
なんて、素敵なことなのでしょう。
今日は、送り盆ですので、13日に迎えたご先祖様を、16日の今日の夕方に送ります。
我が家は、お寺でしたので、お檀家さんを一軒・一軒、棚行に回ります。今年は、初盆の檀家さんが多くありましたので、余計にご苦労ですが、お寺さんの務めでもあります。禅宗ですので、お盆は、霊膳も作って、仏壇に供えてあります。我が家の方丈は、棚行に行っても、時代が変わったなぁ。『昔は「うちわ」で扇いでもらっていたが、扇風機になり、今は、クーラーが入っていて、涼しい所で、拝ましてもらえるけな。有難いで。』と話してくれます。「霊膳」が作ってあると、「あぁ。この家も、ご安泰だなぁ。」と、安堵すると話してくれます。
そして、孫も、棚行のお手伝いをしてくれますので、より嬉しいようです。孫は、爺さまのバイクに乗り棚行をしますので、速いです。どうか、こうして、継承していけるかと思うと、嬉しい限りですね!