2023/04/18
新緑の中にとっぷりと、浸れる環境は、私にとって幸せそのものなのです。私の部屋から、三瓶山を仰ぎ見て、我が家の庭には、ツツジの花が咲きだし、若葉の中に咲く赤、白、ピンクの花は、楚々として美しい。深山タンポポも、スズランも、咲きだした。花笑う季節です。うふふ。山笑うと言うのよね。
そして、歳を重ねると、不思議なものですね。春の訪れも、楽しく迎えることが出来るのです。前向きに明るく生きていると、自然界が後押ししてくれるようなのです。特に春はそう感じますね。寒い寒い、酷寒の中を生き抜くのは、人間様だけではないのです。植物だって、動物だって、小さな虫だって、みんなみんな、冬を乗り越えます。
「何で、こんなにも寒いのだ!!」って、文句を言う人はいませんね。この酷寒を、乗り越えます。強いて言えば、「人間」だけが、文句を言うのかもしれませんね。
私は、つい先日の日曜日に、「しろがねの葉」の著者・千早茜さんのトークイベントに行きました。幸いにもサイン会の抽選にも当選していたので、より一層幸せ気分で出席したのです。気合も入れて、銀色のスニーカーも履いてです。サイン会の時に、彼女にもアピールできたのですよ。私は、実は「しろがねの葉」を読んで、その内容が余りにも、良く書いてあるので、お歳はなんぼかなと、想像してみました。どうも、42才の年だったようです。私は驚きでした。歴史小説は、初めてのようでした。そこで、トークイベントの時にそのエピソードを聴くことができました。歴史小説は、いずれは書こうかなと、思っていたが、まぁ。50歳を過ぎてから書こうと、思っていたけど、急にこんなことになった。と、話されました。そして、いろいろ彼女の物語の着想と言うのが、凄いことに気づいた。それは、あの暗い洞窟の真っ黒な闇の世界を、研ぎ澄まされた、感性というか、感受性というか、想像力と言うか、見えないものへの、探求心、好奇心、感性だろうか。湧き出るという、それを、真っ白いページに何冊も言葉を書き綴るという。やっぱり、彼女はただ者じぁなかった。そして、驚いたのは、どうも前日に大田市に来られ、中村唯史先生のご案内で、埋没林公園に行かれ、縄文の森の埋没林を見られたようだった。その彼女の感激の様子が、やっぱり、凄い。あの縄文の樹木に会い、樹木の精霊、木霊がした。すごかった。帰ってから、その木霊を必死で、ノートに綴ったと、話された。いやはや、凡人にはとてもできぬことだ。やっぱり、凄いかただった。と言うのは、本の中での、「蛇の寝ござ」(ヘビノネゴザ)の文章があるが、彼女の文章が、素晴らしいのだ。『気づくと闇に光るものがあった。葉のようだった。あかるい緑色で、羽毛のようなかたちをしている。
葉脈の一本一本が夜空を集めたかの如く瞬(まばた)いている。よく見ると、光の粒が葉の中を動いていた。根本から葉先へと吸い上げられている。光の粒は震(ふる)えてるようにも、囁(ささや)いているようにも見えた。ウメはきれいだと思った。こんなきれいなものがあるのか。』