お早うございます。昨日の続きからお話しましょう。

2018/01/18

その彼は、ご家族と一緒に帰られました。車の中には、お母さまが乗っておられました。私と担当の職員は、玄関ロビーに出て、お見送りをしました。すると、家族の車が、私たちのいる玄関ロビーに来ました。お母さまが乗っておられる車の窓が開いて、お母さまが私たちにお礼を述べられました。そして、ぐるっと廻って行かれました。何とも気持ちのいい思いをさせてもらいました。「礼を尽くして、なすべきことをする」ことは、何とも清々しいものかと、日本人の品格に出会った思いがしました。なるほど、我々の仕事は、一人の人を主人公にした、生活環境をいかに整えて行くのか、大切な仕事をさせていただいているのだと改めて、肝に銘じたところです。

そして、そのことを、当亀の子のスタッフにも、共通理解として、スタッフに伝えることが私の役割ですので、伝えに行ったところ、またまた、びっくりです。もう2~3年前のことでしょうか。まだ彼女が10代の頃の事です。児相から愛着障がいの彼女を引き受けました。丸々1年位は居てくれたのでしょうか。その1年間の間は、本当に七転八倒だったような気がいたします。職員間でも、彼女の対応について喧々諤々でした。私は、何とか彼女を成人に達するまでは見て行きたいと思案しましたが、他のメンバーさんを犠牲にしてまでは、無理だと思い、やむなく、児相へ送り届けたことがありました。その時に、児相の所長宛てと、その彼女宛てにお手紙をしたためました。苦渋の決断でした。そして、2~3年が経過して、赤ちゃんを連れてやってきたのです。

もう!びっくりでした。私は、思わず、「まぁ!よく来たね。お母ちゃんになったのだ。よく生まれたね。頑張ったんだ。おめでとう!」「まぁ!かわいい。いい子を生んだね。」「おかぁちゃんになったね。お母ちゃん一年生だね。」貴女のお母さんと、お父さんは、「反面先生」だったんだよ。その「反面先生」から、貴女は沢山の事を学んだんだから、その学んだことを生かして、たまには、ここ亀の子へ来て、過ごすことだね。亀の子へ来たら、この私がお母ちゃんになるからね。すると、とっても素直に、「はい!分かりました」と。いやはや、「礼を尽くしてなすべきことをする」ことは、本当に有難いことだなぁと、つくづく思ったところです。