2015/07/15
毎年の事であるが、健康福祉部の「圏域別地域公聴会」が県央から始まった。初発です。2ケ月に渡って開催される。平成17年4月から開催されて、10年間実施してこられた。地域の実情が聞かれてとても有益だとのことで、開催されてきた。
ことしも、私は、障がい施策としての精神保健について事前に意見を出していたので、順番が来て、私の意見を述べさせてもらった。実は、私の真正面に医療統括官の牧野由美子氏が居られた。そのこともあり、日本の精神病院入院患者数が先進国でありながら世界で一位をずっと続けている。私は平成7年にその悲惨さもあり、病院を退職し、無認可の共同作業所の所長となった。その退職にあたって、相談に駆け付けたのが、当時大田保健所の所長をしておられた、牧野由美子氏であった。もうあれから、20年の歳月が流れた。当法人は、必要に応じて社会復帰施設を整備し事業拡大してきた。なのに、精神病院入院患者数は、一向に埒が明かぬ状態で、いったいこの日本はどうなっているのだろうかと。疑問視してきた。福祉現場で当事者と向き合いながら、医療モデルから生活者モデルへと必死で移行してきた。しかし、相変わらず、医療現場は一向に改善しようという兆しは見えてこない。等々も前置きにお話ししながら、島根の現状を数値で述べていただいた。その答えは、県職員としてのとうり一遍の回答であった。
嬉しいかったことは、当事者の三瓶友の会の山崎さんが発言してくれたことだった。それは、厚労省が考えた、病床削減のための苦肉の策の病院の病棟をグループホームに転換する手法だったが、その経過はどうかと、質問された。島根県としては、国からの通達はあったが、その手法は、ゼロであると説明された。2つめは、病院看護婦の対応、医師の対応の不備について、どうなっているのか。と、質問された。回答としては、昨年度から、病院への研修会を開催し、看護婦、医師などに勉強して貰っているとのことだった。 あ~あ。まだまだ、拉致のあかない現実に悲しい思いがした。
そして、今回は、嬉しかったことは、若い歯医者さんが、積極的に問題提起して下さったことだった。また、大田医師会会長の「患者が主人公」の医療の発言を頻繁にして下さったことだった。
とても、活気のある公聴会となった。